
年齢とともに「かむ力」が弱くなってくると、食事の内容も変わってきますよね。
実はその変化が、タンパク質不足、大切なビタミン「ナイアシン(ビタミンB3)」の不足につながってしまうことがあるんです。
今回は、噛む力の低下 → タンパク質不足 → ナイアシン不足という栄養の連鎖について、やさしく解説します。
🍖 ナイアシンって何?どんな働きをするの?
ナイアシンは、ビタミンB群の一種で、次のような働きを持っています:
- 食べたものからエネルギーを作り出す
- 血行をよくする
- 脳や神経の働きを助ける
- 肌や粘膜を健康に保つ
不足すると「疲れやすい」「食欲がない」「皮膚炎」「物忘れ」など、さまざまな不調の原因になります。
🦷 かめなくなると、なぜナイアシンが足りなくなるの?
✅ かむ力が弱くなると… 食べられないものが増えてくる
- 肉、魚、豆、ナッツなどかみごたえのあるタンパク質食品を避けがち
- 食事がパン・うどん・おかゆなどの炭水化物中心になりやすい
- 食欲の低下や、食事量の減少も重なる
↓
✅ タンパク質が不足すると、ナイアシンが減る
ナイアシンは、トリプトファン(アミノ酸)から体内で合成されます。
つまり、タンパク質の摂取量が減ると、ナイアシンも作れなくなるんです。
⚠ こんなサインは「ナイアシン不足」の可能性も
- なんとなく元気がない
- 肌が荒れやすくなった
- 最近物忘れが気になる
- 口内炎や胃の調子がよくない
- イライラしやすい
年齢やかむ力だけのせいと思っていた不調が、「ナイアシン不足」かもしれません。
🍲 やわらかタンパク質食でナイアシン不足を補う方法
かむ力が弱い方でも、たんぱく質不足を解消し、ナイアシンを補える食材と調理法をご紹介します。
🥄 タンパク質を含むやわらかくて食べやすい食材
- 絹ごし豆腐
- ツナ缶(水煮)
- サバ缶(骨ごと食べられる)
- 卵(半熟・茶碗蒸し)
- 鶏ひき肉(つくね・卵とじに)
🔥 調理のコツ
- あんかけ、雑炊、シチューなど「とろみ」で飲み込みやすく
- ミキサーやフードプロセッサーで「なめらか」に
- 冷凍ストックで作り置きもおすすめ
🍽 タンパク質不足、ナイアシン補給におすすめのやわらかレシピ
🥣【1】豆腐とツナの和風卵とじ
栄養ポイント:
豆腐=やわらかくて高タンパク
ツナ=ナイアシンが豊富+
卵=トリプトファン豊富
材料(2人分)
- 絹ごし豆腐:1丁(300g)
- ツナ缶(ノンオイルがおすすめ):1缶
- 卵:2個
- だし汁:150ml
- 醤油:大さじ1
- みりん:大さじ1

作り方
- 豆腐を食べやすく切り、耐熱皿か鍋に入れる
- ツナ、だし汁、調味料を加えて温める
- 溶き卵を回しかけ、蓋をして弱火で2~3分蒸らす
- 火を止めて完成!とろとろで食べやすいです
🍛【2】鮭とじゃがいものクリーム煮
栄養ポイント:
鮭=ナイアシン豊富
牛乳=タンパク質とビタミンB群
じゃがいも=エネルギー補給も◎
材料(2人分)
- 鮭の切り身:2切れ(骨は除いてほぐす)
- じゃがいも:2個(小さめ)
- 玉ねぎ:1/2個(薄切り)
- 牛乳:200ml
- バター:10g
- 小麦粉:大さじ1
- 塩こしょう:少々

作り方
- 鮭は加熱してほぐしておく鮭の切り身:2切れ(骨は除いてほぐす)
- じゃがいも:2個(小さめ)
- 玉ねぎ:1/2個(薄切り)
- 牛乳:200ml
- バター:10g
- 小麦粉:大さじ1
- 塩こしょう:少々(レンジやフライパンでOK)
- じゃがいもと玉ねぎは薄切りにして火を通す
- 鍋にバターを溶かし、玉ねぎを炒め、小麦粉を振り入れてさらに炒める
- 牛乳を加え、鮭とじゃがいもを加えて煮る
- とろみが出たら塩こしょうで味を調えて完成
🍮【3】バナナきな粉ミルクプリン(デザート)
栄養ポイント:
バナナ=トリプトファン豊富
きな粉=植物性タンパク質+ナイアシン少量
牛乳=吸収しやすいタンパク源
材料(2人分
- バナナ:1本
- 牛乳:200ml
- 粉ゼラチン:5g
- きな粉:小さじ2
- 砂糖(お好みで):小さじ1~2

作り方
- ゼラチンを少量の水でふやかす
- バナナを潰して、牛乳と一緒に鍋で温める
- ゼラチンを加えて溶かす
- カップに入れて冷蔵庫で冷やし固める
- 食べるときにきな粉をかけて完成!
💡 まとめ:かむ力が落ちたときこそ、たんぱく質不足を意識しよう
かみにくいからといって、かみごたえのある食材を避けていると、気付かないうちにたんぱく質不足になり、その結果ナイアシン不足にも。
たんぱく質不足は筋力の低下、ナイアシンの不足は、気力・体力・脳の健康にも大きく影響します。
ムシ歯や歯周病で痛くてかめない時、入れ歯の調子が悪い時でも、あきらめないで、食べやすく、栄養がしっかり摂れる柔らかたんぱく質食を利用して、バランスの取れた食事で毎日を元気に過ごしましょう。
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